そらのとり

今こそ「紙」が差別化ツールになる!

デジタルマーケティングが当たり前となり、メールやSNSでの情報発信が日常的に行われている現代のビジネスシーン。

多くの経営者が
「お客様とのコミュニケーション手段を増やしたい」
「もっと効果的な顧客アプローチ方法を知りたい」
と考えていらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、セミナー業、コンサルティング業、士業などで顧客との深い関係性構築を目指す経営者の方に向けて、デジタル全盛の時代だからこそ差別化ツールとして威力を発揮する「紙媒体」の価値についてお伝えします。

情報過多の現代において、なぜ紙でのアプローチが特別な意味を持つのか、実際の事例を交えながらご紹介していきます。

スマートフォンが普及し、AIが日常生活に浸透し、あらゆる情報がデジタル化される現代において、ある興味深い現象が起きています。デジタルネイティブとも言える若い経営者たちが、あえて「紙」に回帰しているのです。

デジタル世代の経営者が語る「紙」の威力

先日、SNSで1万5千人ものフォロワーを持つ経営者の方とお話しする機会がありました。

デジタルマーケティングに精通し、歳も若く、最新のビジネス手法を駆使する方なのですが、意外なことを教えてくれました。

ビジネス系雑誌を2冊定期購読していると言うのです。

理由を尋ねると、こんな答えが返ってきました。

「丸1日パソコンやスマホを見て情報を頭に流し込んでいても、紙に書いてある文字から吸収できるものはまた全然違うんです。全く別の熱が発生してくる感じがします」

この「別の熱」という表現が、とても印象的でした。

デジタル情報に慣れ親しんだ世代だからこそ感じる、紙媒体の独特な価値があるのかもしれません。情報の受け取り方が根本的に異なるのです。

デジタル情報は速く、効率的に処理できます。しかし紙の情報は、時間をかけてじっくりと向き合うことで、深く心に響く何かを与えてくれるのです。

それが彼の言う「別の熱」なのかもしれません。

「今さら紙?」と言われても続ける理由

弊社は長年にわたってニュースレター制作を手がけている会社です。

時代の流れとともに「今さら紙?」「もうオワコンでしょう」といった声を聞くこともあります。

しかし実際には、長くお付き合いいただいている顧客の方々がたくさんいらっしゃいます。

昨日も、10年間継続してニュースレターをご依頼いただいている経営者の方とミーティングを行いました。

その際に驚いたのは、その方が弊社の納品物の10年間にわたる微妙な変化を、実に細かく感じ取っていらっしゃったことです。

「最近の記事は以前より読みやすくなりましたね」
「前の方が清水節が効いていたけどね」
「○月のテキストはAIを使ったでしょ?」

なんて言われて、嬉しかったりヒヤッとしたりしたものです。

もちろんAIを使ってはいけないわけではないですし、その方も弊社を責める気持ちはありませんでした。
ただ、自分も気づかないうちに醸し出していた「らしさ」を実は求められていたことがわかり、テキストの持つ「情報伝達“以外”」の役割について改めて考えさせられたものでした。

紙のニュースレターを10年、毎月欠かさず使い続けている方はさすがに繊細だなぁと思ったものです。

果たしてデジタルメディアで、これほど深く、会話以外でお互いの人間性や感性を感じ合うことがあるでしょうか。

メールは削除され、SNSの投稿は流れていきます。

しかし紙は手元に残り、積み重なり、時間をかけて信頼関係を育んでいくのです。

情報過多時代だからこそ見えてくる価値

現代は間違いなく情報過多の時代です。

AIの発展により、ChatGPTをはじめとする生成AIが膨大な情報を瞬時に提供してくれます。

SNSからは24時間、途切れることなく情報が流れ込んできます。

毎日受け取る情報量は、一昔前とは比較にならないほど膨大です。

そんな情報の洪水の中で、紙が入り込む余地はないのでしょうか。

答えは「そうではない」です。

むしろ情報過多だからこそ、紙の価値が際立つのです。

デジタル情報は素早く消費されがちです。スクロールして読み流し、次々と新しい情報に移っていきます。

一方で紙の情報は、手に取り、時間をかけて読み、考える時間を与えてくれます。

紙はまた違った感動や気づき、そして深い知恵を与えてくれるのです。

それは処理速度の違いからくるものかもしれませんし、五感に訴える体験の違いからくるものかもしれません。

いずれにしても、デジタルでは得られない独特な価値があることは確かです。

新たな顧客接点としての紙媒体

セミナー業、コンサルティング業、士業の先生方の中には「まだまだ顧客へのアプローチが足りない」と感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
デジタルマーケティングは既に多くの方が取り組んでおり、競争も激化しています。

そんな中で、紙でのアプローチを検討してみてはいかがでしょうか。

メールマガジンやSNSでの発信と並行して、月に1回、手紙やニュースレターをお送りする。それだけで、お客様との関係性は大きく変わる可能性があります。

等身大の想いを込めた紙の媒体は、デジタル全盛の時代だからこそ特別な存在感を放ちます。受け取る側にとっても「わざわざ紙に印刷して送ってくれた」という特別感があり、より深い印象を残すことができるのです。

技術が進歩し、AIが人間の仕事を代替していく時代だからこそ、人間らしい温かみのある接触方法が求められています。

紙媒体は、そんな現代のニーズに応える、意外な差別化ツールになり得るのです。

デジタルとアナログの使い分けこそが、これからのビジネスコミュニケーションの鍵となるでしょう。まずは小さく始めてみることから、新たな顧客との関係性構築への道が開けるかもしれません。


デジタル時代の紙の威力はこちらでも解説しています。
▼アナログの力!なぜ紙のニュースレターの方ががデジタルより価値を感じられるのか?
https://soranotori.net/blog/content_production/280/